カシミヤ・ニットメーカー林田からのお知らせ

  • 2022年08月09日 「コロナ前回復へ提案充実」
    2022年8月3日付繊研新聞記事

 メンズ主力のニットメーカー、林田(大阪市)は前期(22年6月期)も前々期に続いて増収見通しだ。主力の「レセント」は、国内自社工場の強みを生かしたカシミヤなどのオーダーニットが好評で、今後もさらに提案を充実する。一方、20年春に1号店を開設した「マグノリア・トウキョウ」も軌道に乗り始めており、今秋に2店の出店を計画する。「コロナ前までは回復しなかったが、今期は取り戻したい」(林田誠司社長)という。

 前期は、22年1、2月の新型コロナウイルス感染拡大の影響が少なくなかったが、通期で前年を上回る結果になった。レセントのカシミヤのオーダーニットが独自の提案でコロナ禍でも伸ばし続けており、メンズとレディースでカラーオーダーや身丈、袖丈をアレンジできるパターンオーダーを用意している。素材やアイテム、色など年々バリエーションを充実し、同ブランドのオーダー比率は1割超になった。

 オーダーニットはカシミヤのほか、ベビーカシミヤ、海島綿と高級素材を用いる。和歌山県田辺市にある自社工場で生産し、受注納期は2週間〜40日。22〜23年秋冬は、カシミヤで男女向けに8ゲージのケーブルニット4型を、18色から選んで楽しめる提案などを用意。クルーネックのメンズが7万6000円(本体)から、レディースは7万2000円からになる。

 今秋は、これまでにない実験店舗として、主販路の百貨店でオーダーニットを中心とした新店も開設する。既製品も品揃えするが、オーダーのサンプルを年間常設し、いつでも受注できる体制で臨む。また今後は、カットソーやシャツなど、ニット以外のアイテムでも良質な素材を生かしたオーダー提案を視野に入れている。「ゆくゆくは様々な形でカスタマイズニーズを囲い込んでいきたい」と考える。

 マグノリア・トウキョウは、髙島屋大阪店にあるインショップで、”カジュアルアップ”をキーワードに、国産で感度の高いプレタカジュアルをトータルで打ち出している。団塊ジュニア世代をはじめとした富裕層を中心客層に、カジュアルだけれど仕事にも着ていける提案が支持されている。

 当初はロンナーと匠の夢の3者で立ち上げたが、20年11月にロンナーが廃業したことから、林田が中心になって事業を進めてきた。「一番厳しい時期を乗り越え、これから本格的に拡販していきたい」とする。現在は1店のみだが、秋には常設店を2店出す計画だ。来春の出店も視野に入れている。

 同ブランドの今秋冬物では、新たにカシミヤのパターンオーダーニットの提案も加える予定。バイカラーのクルーネックとハイネックがあり、12色の中から好きなカラーリングを選ぶことができる。クルーネックセーターが6万3000円から。